私たち八木澤商店は、たくさんの方々に支えられ、震災から一年と七ヶ月を経て、本社営業事務所を陸前高田市に戻すことができました。以前営業していた場所から六kmほど内陸の矢作町に十月一日より移転、店舗も同敷地内に構えることができました。そして十月十三日、醤油醸造工場とつゆたれ製造工場を一関市大東町に竣工するに至りました。
思い起こせばどれだけの人にお世話になり、ここまでこられたのか。この一年と七ヶ月で約三千人の方と出会い、新しい道も拓けてきています。感謝しても感謝しきれません。
これからも八木澤商店は地域に根ざし、よいものをつくり、食卓に喜びと感動を生み出し、みなが健康で、幸せに包まれるように祈りながら、仕事をしてゆきます。これを八木澤商店はみなさまにお約束いたします。
この一年半、一緒に頑張ってきた社員には大変な苦労をかけました。多くの不安と戸惑いの中、今日までやってこられたのは社員やそのご家族の支えのお陰です。一日も早く再建し、全社員の暮らしを安定させ、経済的にも精神的にも豊かになる、良い会社にしていきます。今日まで本当にありがとう。明日からまたがんばりましょう。そして、今日から生まれる命の息吹を大切にしていきましょう。
「いかに苦しいことがあっても、ヤケになるのは短慮の極みである。逆境にある人は常に、もう少しだと言って進むといい。やがて必ず前途に光がさしてくる。」 新渡戸 稲造
八木澤商店も常にもう少しだと進んできました。数多くの尊い命が大自然の驚異によって奪われ、たくさんの別れを経験しました。いつか、遺された人達の心が癒され、心から笑える日が訪れることを信じています。私も、生き残った者の一人として精一杯生きて多くの魂に報いたいと思います。
これまで八木澤商店を支えてくださったすべての方に、心よりの感謝をお伝えするとともに、これからのみなさまの幸福を願いながら、再生の狼煙をあげたいと思います。これからも、どうか見守ってください。何卒、よろしくお願いいたします。
株式会社 八木澤商店
代表取締役 河野通洋
東日本大震災から本日で14ヶ月です。
本日、八木澤商店は、(一関市)大原工場 新築工事のための地鎮祭ならびに起工式を執り行いました。
わずか1年ちょっとで製造工場本設にこぎつけることができました。
すべての人々に感謝いたします。
ありがとうございました。
平成24年5月11日(金)
八木澤商店ホームページをご覧いただいているみなさま、いつも温かい励ましのお言葉をくださるみなさま。
お心をよせてくださり本当にありがとうございます。
八木澤商店の社員のみなさん、この1年本当にご苦労様でした。
不安と混乱の最中、ここ大東町で再スタートができたのも、社員の協力、地域の方々、全国の皆様の力強い支えがあってのことと心から感謝申し上げます。今年度は、工場建設や陸前高田への本社移転、店舗開設など新しい目標が生まれ再建の階段を少しずつ上がっていきます。
また、新入社員として3名を仲間として迎えることが出来てとてもうれしく思います。
なにぶん若輩者で、これからも皆様にご苦労をおかけしますが、全身全霊を尽くして皆様の誠意に報いる努力をしますので、これからもよろしくお願いいたします。
今年がわが社にとって復興元年になります。
今までにない取り組みや新規事業のコラボレーションが始まる年でもあります。
新たな価値を生み出し、我々が被災地復興の礎となってみんなが安心して暮らせる町にしていきましょう。
平成24年4月10日
株式会社 八木澤商店
代表取締役 河野 通洋
コピーライター糸井重里氏が東日本大震災報道で弊社を知り、「ほぼ日刊イトイ新聞」で何度か取り上げていただきました。
・東日本大震災のこと。顧客の創造(平成23年4月18日)
・東日本大震災のこと。本当の意味での「強み」(平成23年4月19日)
・ほぼ日ニュース(平成23年5月13日)
そして今回、糸井氏と私が7月下旬に対談する機会をいただき、その内容を5回にわたって掲載いただきました。
・東北の仕事論。陸前高田 八木澤商店篇
会社の再建と陸前高田(生きていく場所)の復興。被災地で誰もが抱える大きな課題を様々なところで話す機会をいただき、語り続けてきました。私の「おもい」が10だとしたら、相手に伝わったのはいくつくらいなのでしょう。私のつたないしゃべりでは、10まるごと、すべて伝わるとは思えない。だから言い続ける。他に方法が思いつかないアホな男ですから。
私の「おもい10まるごと」ではなく、相手が理解してくださったことが私の伝えたことなのだ、と「東北の仕事論。」を読んで思いました。
この対談からすでに2ヶ月が過ぎています。状況も刻々と変化しています。
それでも、言い続ける内容は何もかわらないでしょう。くりかえし、くりかえし、何度も言う。それが現実になるまで。
「東北の仕事論。」、お時間ありましたら読んでみてください。お世話になっている、仲間の「斉吉商店篇」もあります。
東北みんな頑張っています。末永く応援よろしくお願いいたします。
まずは、佐々木敏行さん・富永泰一郎さんのご遺族の皆様に、お詫びとお悔やみを申し上げます。
お二人の命を守れなかった事を、新任社長として重く責任を感じております。残された八木澤商店社員一同、お二人のご冥福をお祈りしつつ、会社の再建をお約束致します。また、今回の災害でご迷惑をお掛けしているお客様・お取引先様にお詫び申し上げます。
新任社長のご挨拶として、考え方を述べさせて頂きます。いかに危機的な状況においても、今後経営の最高責任者として社員の意見に耳を傾け協力を仰ぎながら、全責任を背負う覚悟で再建をしていきます。その上で、変えることの出来ない事を受け入れる心の静けさと、変えるべきものを変えていく勇気。その二つを見分ける叡智を養う事を大切にしていきます。その可能性の源泉は、自ら情熱を持ち続ける事。その情熱こそが、絶望の中からかすかな希望を見つけ出す。そして、必ず道は開けていくと信じています。
八木澤商店の新しい歴史を創り出して行く機会と捉え、社長に就任させて頂きました。今後とも皆様のご尽力とご助言が必要となってまいります。どうぞ宜しくお願いを申し上げ新任のご挨拶とさせていただきます。
2011年4月1日
株式会社 八木澤商店
代表取締役 河野 通洋