日本醤油協会では「食育」推進の一環として、「第4回しょうゆ感想文コンクール」を実施しました。
全国の児童(小学生3~6年生)から1,139点の応募があって、なんと今年も地元の小学生が入賞しました。
その小学校は第2回、3回、4回と、3年連続で受賞。この快挙はこの小学校だけ。
先生方の、子供たちの「やればできる」と「持っている感性を大事にすること」、「彼らの才能を存分に引き出す」という学校の方針は素晴らしい。
そしてなによりも、感じたことを素直に表現している顕仁くんの文章が素晴らしい。
しょうゆもの知り博士のトモオくんも感心することしきり。 ますます博士の教え方に熱がはいるよね(笑)。
作文を紹介します。
長部小学校3年 荒木 顕仁
写真左:八木澤商店しょうゆもの知り博士 吉田 智雄
写真右:荒木 顕仁くん
「プチ、プチ、プチプチ。」
しょう油工場の見学に行って、一番おどろいたのが、この音でした。みんなが、シーンとしずかになると、たるの中のしょう油から、ふしぎで楽しい感じの音が、聞こえました。
ぼくは、社会科の勉強で八木澤商店というしょう油工場を見学しました。見学に行く前、ぼくはしょう油が出来るまでの道のりやどうやって美味しくしているのかを知りたいと思いました。だから、見学の日を楽しみにしていました。
見学の最初に上八公民館でビデオを見せてもらいました。しょう油が出来るまでの事も教えてもらいました。材料や作り方がよく分かりました。八木澤のしょう油は岩手の大豆(丸大豆)や小麦を使用していると聞き、地元の物を使っているんだなぁと思いました。
説明の後、もろみをしぼるところを見せてもらいました。とてもゆっくりだったけれど面白かったです。その後、もろみを食べさせてもらいました。もろみ は、一ヶ月、二ヶ月、二年間とねかせた時間のちがう三種類のもろみでした。ねかせて一ヶ月のものは、塩の味がすごく強くてただしょっぱいだけでした。二ヶ 月のものは、少しまろやかになっていたけれど、まだ少し塩の味がしました。最後に二年間ねかせたものはすごくまろやかになっていて、塩の味というより美味 しいしょう油の味だと思いました。ねかせるだけでこんなに味がかわるとは、思いませんでした。
その後、出来上がったしょう油を食べさせてもらいました。こい口しょう油とうす口しょう油と、さしみじょう油(さいしこみしょう油)の三種類のしょう油 を、食べさせてもらいました。一番美味しかったのが、さしみじょう油でした。やっぱり二回もしこんでいるから美味しいんじゃないかなと、ぼくは思いまし た。
ぼくの家でも八木澤のしょう油を使っています。にものなどにこい口しょう油を使っています。今度、美味しかったさしみじょう油を買ってもらいたいと思いました。
最後に、工場の中を見学させてもらいました。ぼくは、いっぱいの部屋に分かれていると思ったけれどちがいました。二百年以上前にたてられた工場なのでと ても古い感じがしました。新しく直した場所もあったけれど、土間や木のかいだんもあって、すごくれきしがあるんだなぁと思いました。そんなれきしある工場 の中のたるの中から、
「プチ、プチ、プチプチプチ。」
と聞こえてきて、二百年前の人達もこの音を聞いていたのかと思うと、とても不思議な感じがしました。
こんなにも古くからしょう油を作っているし、作っている人達のあいじょうがこめられているから、八木澤のしょう油は、岩手一だとぼくは思いました。