子どもの感性はすごいね。毎日の作業で当たり前だと思ってきたことが、特にこどもたちの目には新鮮に映る。
第2回「しょうゆ感想文コンクール」(主催:日本醤油協会)で、地元・陸前高田市立長部小学校3年生の小泉利沙さんが、全国1,504点の中から審査委員 特別賞を受賞しました。3年生の生徒全員が、「しょうゆができるまで」の出前授業を受けて、八木澤商店のしょうゆ工場を見学し、感想文を書いてくれたも の。
うれしいね。
受賞作文を紹介します。
「八木さわ商店に行ったよ」
長部小学校3年 小泉 利沙
写真右:担任 熊倉 桜子先生
右から2番目:利沙さん
右から3番目:長部小学校校長
左:岩手県味噌醤油業協同組合事務局長
兼 しょうゆもの知り博士 吉田 隆一氏)
わたしは、八木さわ商店に行ってきました。八木さわ商店でいろいろなことを教えてもらいました。
まず、はじめにしょう油やみそについて勉強しました。しょう油には三百しゅるいのにおいがあるそうです。八木さわ商店の人がしょう油をこがしたとき、わ たしはおもちをやいたときのにおいくらいしか思いつかなかったけれど、三百しゅるいもにおいがあるなんてすごいと思いました。あと、しょう油のげんりょう は大豆、小麦、塩だそうです。小麦もしょう油に入っているなんて知りませんでした。大豆にはお肉と同じたんぱくしつというえいようが入っているそうです。 小麦にはでんぷんが入っているそうです。わたしは、大豆や小麦にえいようが入っているとはじめて知りました。
八木さわ商店の人が、
「大豆は、市内でとれた大豆を使っています。」と言っていました。まさか、高田市内の大豆を使っているなんて知らなかったのでおどろきました。また、小麦も岩手でとれた物を使っているそうです。
ほかにも、工場は二百年前にできたそうです。かべがりっぱな昔風のくら作りのたて物でした。古かったけどとても二百年前にできた工場とは思えません。とてもがんじょうだなと思いました。
八木さわ商店の人に、
「何かしつ問はありませんか。」
と言われて、だれかが、
「何人はたらいていますか。」
と聞きました。そしたら、工場には10人、つけもの工場には20人いることが分かりました。他にもはんばいに行く人は6人で、じむしょには6人いて全員で42人いるそうです。しょう油の他にもつけもの工場が分かったし、たくさんの人がはたらいているんだなと思いました。
こうして、大豆はなっとうやみそ、しょう油などいろいろな食品にすがたをかえていることが分かりました。むしたり、目に見えない生き物の力をかりて食べるほうほうも知ることができました。これからも大豆のことを調べていきたいです。
国語の教科書に、大豆も小麦も輸入しているとの文があり、地元の大豆をつかっていることに驚いたんだね。
あぁ・・・子どもが素直に感動してくれていることに感動し、自給率を上げなくちゃ、と悩む僕。利沙さんの担任の熊倉先生(写真右)は、子どもの感性・才 能を引き出すのがうまいとお聞きしました。教科書の授業だけではない、実際にふれて子どもたちがそれぞれ何かを感じる授業を大切にしているみたいです。素 敵な先生だね。
利沙さんが賞をいただいたから、というわけではないけれど、僕たち一層気を引きしめておいしいものづくりに励んでいきます。
利沙さん、熊倉先生、ほんとうにありがとうございます。